「低温流通食品管理の鉄則−事故を起こさないために−」
の発刊にあたって

社団法人氷温協会 理事長 山根昭彦

 我が国の低温流通技術およびその関連技術は世界最高水準に達しており、豊かな現食生活を支えていることは大変喜ばしいことです。昭和40年、科学技術庁資源調査会による「食生活の体系的改善に資する食糧流通体系の近代化に関する勧告」にもとづきまして、国みずからが実際の流通の場で「コールドチェーン事例的実験調査」を実施しましたが、これが我が国の近代的低温流通の始まりといえます。
 その後、約半世紀にわたり、冷蔵、チルド、氷温、冷凍、超低温などさまざまな低温領域におけるたゆまない調査、研究の積み重ねがあり、多くの低温関連技術や管理システムの開発に成功してきました。このような低温流通システムの確立に伴い、生鮮食品などの非加熱食品の消費が急速に伸びてきているのも事実です。
 ただ、このような食品の安全性確保には、もちろん製造・流通過程における低温での温度管理が有効な手段ではありますが、仮に低温管理の不備があった場合、企業やお店は信頼を損なうだけでなく、食中毒事故等の要因となりうるので、徹底した食品の管理技術が求められています。
 しかし、かかる低温流通食品に関する専門書を購入しようと思いましても、広範な低温流通の解説を目的とした専門書は多数出版されていますが、事故を起こさないための低温流通食品の品質作りと管理をテーマとした本格的な専門書はなく、本書の発行は、関係者に待ち望まれた企画といえます。
 氷温学会および氷温協会の事業推進に格別なるご指導を頂戴しております宮城大学副学長・食産業学部教授の池戸重信先生が編集委員長として全体的なとりまとめをされておりますし、氷温学会顧問の加藤泰丸先生が「食品の低温流通とは何か」および「低温による食品の熟成と美味しさ」につきまして明快な解説を記されています。加えまして、私も「チルド・氷温食品の流通システム」につきまして執筆させていただきましたが、「氷温」に関わります内容の多い仕上がりとなっておりますのも、本書の大きな特徴の一つです。
 その他の編集者、執筆者の先生も、大学、試験研究機関、食品製造や食品流通に携わる第一線の方々であり、内容は基礎から応用までバランス良くまとめられており、低温流通食品管理の現状と課題の把握が容易にできますので、タイトル通り、−事故を起こさないために−初心者はもとより専門家の皆様にも推薦いたします。
 

出版社
株式会社サイエンスフォーラム
発刊日
2011年8月10日
価格
¥ 29,400(税込)
※「氷温」、「超氷温」は(株)氷温研究所の登録商標です
※書籍申込み方法

 商品は直売方式を採っているため、下記あてに問い合わせ、お申し込みください。

◆問合せ、注文先
〒270-1173 千葉県我孫子市青山4-1-207
株式会社サイエンスフォーラム
TEL 04-7128-5461
FAX 04-7184-7912

◆目次◆
第1篇 低温流通食品管理の重要性
 第1章 近年の食品事故の傾向と低温流通管理の重要性
 第2章 低温流通に関わる法制度の動向
 第3章 食品の品質確保に向けた流通サイドの課題

第2篇 低温流通食品の品質保持とポイント
 第1章 食品の低温流通とは何か<加藤泰丸>
 第2章 低温流通食品の鮮度とおいしさ
 第2節 低温による食品の熟成とおいしさ<加藤泰丸>
 第3章 低温における微生物事故とその対策
 第4章 低温流通食品の品質保証制度と表示

第3篇 低温流通食品のインフラ−運用上の管理ポイント
 第1章 低温流通システム
 第2節 チルド・氷温食品の流通システム<山根昭彦>
 第2章 冷凍・凍結技術
 第3章 物流技術
 第4章 解凍装置とその技術
 第5章 流通現場の計測・制御技術

第4篇 低温流通食品管理の実際
 第1章 調理冷凍食品
 第2章 乳・乳製品
 第3章 パン
 第4章 豆腐・納豆・漬物
 第5章 冷凍寿司
 第6章 チルド・冷凍めん
 第7章 食肉・食肉製品
 第8章 青果
 第9章 生鮮魚介類ならびに水産加工品